現場が竣工に近づくと、ゼネコンの監督さんがよく口する言葉だが、「この追加工事は、うちの会社(ゼネコン)を通すと経費が掛かりますので、お客さん(建築主)が業者と直接取引きなさったら如何ですか」と。建築主はこれで数%安く出来ると喜んで、感謝したりもする。ゼネコンを噛ませず、直接取引で支障の無い工事であっても、ゼネコンの経費が載って、その分高くなることを建築主は当然の事と受け止め、ゼネコンはゼネコンで、軽く口に出しているのだ。
ゼネコン経費が載る事を誹謗するのでは決してない。設計事務所が同じ事を言ったらどうだろうと思ったのである。
例えば住宅。竣工が近づき、Sofaを新調したいと建築主が思ったとしよう。当然、設計者に相談するだろう。「先生、どんなSofaがいいでしょう?」 設計者は、自分のImageに会うSofaを数点提案する。ArflexだCassinaだOrange-Streetだと、Shopは一軒には留まらない。下手をすると(?)土曜日曜、Shop巡りに付き合うことになる。目出度く提案した中からSofaが決まったら、翌日家具屋さんから「先生のところへは何%見ておけばいいですか?」と電話。そのとき、ゼネコン経費の様に『10%』等とは・・・とても言えない!
ゼネコンの場合は一旦仕入れ、設計事務所は仕入れない。お金の流れから外れている。だから『経費』は載せられない? 家具屋さんが気を利かせてくれて初めて収入という形になるのは仕方ない事? 理想としては、建築主からその分頂戴すべきかもしれないけれど、そんな訳にはいかない。が、頂いた報酬以上の設計監理をしたなぁって、実感する時期に来ていると、家具屋さんのお言葉に甘えてみようかと、「お宅は通常はどれ位でなさっているんですか?」なんて聞いたりして・・・。でも、気持ちの底にはBack-Marginという暗い暗い後ろめたさがチラホラ見え隠れして・・・。挙句、「このClientからは十分な報酬を頂戴していますので結構です。その分Clientに安く提供してあげてください。」なぁんて大見栄を斬ってしまう。
これがゼネコンだったら、絶対Shop巡りまではお付き合いしないよ。せいぜいカタログを集める程度でしょ。でも、手配がゼネコンだという事になれば、きっちり経費を掛ける。というか、経費計上が当然のことと理解されている。・・・どうも釈然としない。
設計事務所は、Client以外からお金を貰っちゃいけないんでしょうか? Client以外からの収入が、何故、Back-Marginなどという暗い表現になるのでしょう?
何か別の表現(言葉)を編み出せばいいという事かしら? 河添