実録『或る老人の場合』
    :はじまり編
  (社)大阪建築士事務所協会
機関紙 「まちなみ」より
有限会社フォルム・ディ
代表取締役 河添 佳洋子

これは、ひとりの資産家老人が見舞われた建築騒動の物語で、私が接した事実に、多少脚色を加えたフィクションです。
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1【プロローグ
2【1月7日夜
3【1月9日夜
4【1月16日昼下がり
5【1月19日夜
6【2月10日昼下がり
7【2月15日昼下がり
8【2月17日夜
9【2月18日
10【2月21日夜
11【2月28日
12【2月29日
13【3月1日
14【3月4日夜
15【3月6日
16【3月4日
17【ちょっとだけ後日談
18【おしまいに

【3月1日】
月曜日、9時になるのを待ってB社に電話した。紳士が出てきた。「内容証明見ましたか?」「いいえ、まだ到着しておりません」「さよか。まぁ読んで貰うたらえぇんやが、ちょっと待っといとくなはれ」「えぇ? 判りました。お待ちいたしますよ。ご家族でじっくりご相談なさってください。」
その日から数日は、さすがに紳士は来なかった。実は数度に亘り電話があったが、家政婦が留守だと言って断っていた。老人は知らなかった。

(続く)


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