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【3月4日夜】
木曜日、家政婦が帰った晩方、紳士が訪ねて来た。
老人は、月曜日以降、押しかけてこなかった紳士に、「まともな人間や」という印象をもっていたので、これまでのように応接間に通した。
娘の友人である不動産会社の事を話した。娘の友人として、日曜日にも関わらず出てきてくれる事や、色々考えてくれている事などを、話した。こんないい友人が一所懸命になってくれているのだから、もう少し時間が欲しいと言うつもりだった。
ところが紳士は、不動産会社の社名を聞いた途端、その会社のことを味噌クソに言い始めた。そんな悪口雑言が紳士の口をついて出てくるとは夢にも思っていなかった。驚いた。
(続く)
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