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【1月19日夜】
約束どおり3日後の1月19日、1cm程もある厚さの図面と契約書を持って来た。呼び寄せていた長男の到着が、仕事の都合で遅くなって申し訳ないと思ったが、紳士も技術者もニコニコして待ってくれていた。長男と名刺交換させたとき、「ご子息はお医者様でいらっしゃるんですか! 優秀な息子さんで。羨ましい限りですなぁ」とびっくりした様子だ。「どゃ、わしは上客やろ」と、老人は内心でほくそえんでいた。
「すまんが、どんな建物なんか説明してやってくれまっか」と頼むと、「勿論です、悦んで」と快く説明を始めた。
長男は、「俺、そんなん聞いたってわかれへん」と言ったが、「お前にやるんやさかい、聞いとけ!」と言った。B社が大会社である事や、大阪じゅうの賃貸マンション業界を押さえている事、30年も家賃保証してくれる事、そして資金が住宅金融公庫などから出る手筈を整えてくれた事などを聞いて、長男も「えぇ話やん」とまんざらでもない表情だ。「5億って凄い大金やけど、俺返されへんでぇ」と言ったが、「せやからな、この会社やったら家賃保証してくれんるからな、大丈夫や」
これで万全だ。長男も同席の上、工事請負契約書に署名押印した。こんなに一所懸命にやってくれているからと、工事着手金の2500万円から先に支払った70万円を差し引いた2430万円を、翌朝には振り込む事にした。
「忙しいトコ悪いんやが、もうひとつ計画してくれるか」と、今度は娘に残してやろうと考えていた土地の計画を依頼した。二つ返事で引き受けてくれた。
(続く)
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