拝啓 クレーマーA様

貴方が買い求めた建売住宅は、確かに適法ではありません。けれど、建蔽率や容積率などに違反はありません。そぅ、貴方も今はご存知ですが、耐火性能が確保できていないのです。
し かしこの事は、第三者である建築士が調査して判明したのであって、あなたはその建築士の調査を依頼する前に、事業主に対して、クロスがよじれているとかフ ローリングに傷があるなどとクレームを付け、内装のかなりの範囲をやり直しさせましたよね。そして、その手直し工事の間、住んでいられないからと、家族4 人で高級ホテルのスウィートに滞在し、当然の如くその費用を事業主に負担させましたね。
事業主が承知の上の事ですから、それはまぁいいとしましょう。でも、衣類のクリーニング代に始まって、朝食のルームサービスや、主食堂でのディナーや酒まで負担させるというのは、ちょっと汚いヨ。この事業主がホテルに支払った金額は、200万を超えているそうですよ。
そんな経緯を踏んでおきながら、調査したら耐火性能が無いといって、また、大々的に改修させるそうですね。貴方はヤカラそのものです。ホント、えぇ加減にせぃ!

拝啓 欠陥住宅の調査を主たる業務としておられる建築士事務所様

欠陥住宅の調査、ご苦労様です。30坪程度の建売住宅で、あれだけご立派な報告書を見たのは初めてです。なんと2冊に分けて製本してあって、その厚みも、報告書が1cm、資料集が3cm位もあるじゃないですか。装丁も豪華ですね。特に資料集のほうは、あれは製本屋さんに出しておられるのですか。

先生の報告書って、随分文字が少ないですね。ほとんどが写真なので、大変見やすいのですが、どこを写してらっしゃるのか、なんの説明もないから私にはさっぱり判りません。先生が何をご指摘なさってるのか、ちんぷんかんぷんです。
たまにある文章のところを拝読いたしますと、「・・・の恐れ」とか「・・・の可能性」と書いておられて、そりゃ可能性はあるのかも知れませんが、その可能性を確認するのが『調査』だと、私は思ってきました。例えば、「壁剛性が不足する可能性がある」とご指摘なさっていますが、報告書の写真は3枚しかありません。この3枚を拝見する限り、確かに筋違は写っていませんけれど、他にも全然無かったのですか? 建築確認の図面に筋違が指示されていて、その部分を3 箇所だけチェックなさったんですよね。でもこの住宅の筋違って、全部で20箇所以上ありますよ。どうしてもっと調査なさらないのですか。全部は無理でしょうけれど、せめて半数くらいは。あっ・・・そぅか! 先生のご経験を以ってすれば、『一を見て十を知る』って事ですね。

それから資料集ですけれど、住宅金融公庫の仕様書や建築基準法や施行令や、それから構造用教材や建築用語辞典や・・・あれだけ沢山コピーするのって、大変でしたでしょ。しかも綺麗に製本してあって、すごく立派です。うちのスタッフにあんな事させようモンなら、ブースカブースカ言われますよ、きっと。そして、「先生、いつもいつも、同じ物をこれだけ沢山コピーしなければならないんだったら、500部ほどまとめて業者に発注してくださいよ。その方が安いんじゃないですか。」って言われますよ。あっ・・・そぅか。何処の現場にもつかえそうな箇所をあらかじめコピーしてらっしゃるんですね。あの資料集は、なにもこの調査のためだけじゃなくて、使いまわしが出来ますものね。こんな分厚い資料集をつけた報告書を提出したら、依頼者はそりゃぁ大喜びでしょうね。

私、今回たまたま先生の報告書を2種類拝見する機会に恵まれました。全然別の場所にある建売住宅の調査報告書です。建売住宅って、全く別の建物なのに中身はこんなに似ているんですね。先生のご指摘内容もほぼ同じです。・・・あれ? 先生、ここの文章同じじゃないですか? でもページ数は違うから、編集を間違えられたのではないですね。

私のクライアントのところにも、先生からのDMが届きました。ちょうど確認がおりて少しした頃でした。「こんなん来てまっせぇ」って見せてもらいましたが、『工事内容に不信を抱いたら、すぐにご相談を』って書いてありました。ご親切に有難うございます。そのクライアントは「これ何でんノン」って、スグにごみ箱に捨てましたけど。
そぅ言えば、友人が言ってました。近くの建売住宅団地の一軒が、先生に調査して貰って不具合箇所が見つかったそうです。やはりこれも立派な装丁の報告書を提出なさったのでしょうね。これを持って弁護士のところへ行けば訴訟してくれますよって励まされたそうですけれど、その家は子供も小さいしローンも抱えてるから弁護士費用など負担できないと先生にご相談したら、なんと先生ご自身が、売主に掛け合ってくださったというじゃないですか。ホント至れり尽せりですよね。建築士事務所で、そこまで付き合うところは滅多に無いですよ。
その建売住宅の人は、売主が改修してくれたんで喜んでいたそうですけれど、こう言ってたそうですよ。「改修してもらった事は、それはそれでよかってんけど、あの先生に払ぅたお金のほうが高ぅついたんとちゃうかしら?」って。
先生は弁護士資格もお持ちなんですよね。でないと、買主に代わって、報酬を得て、売主と交渉するなんて事できませんものね。これって、『非弁護士活動』っていうんでしたっけ・・・。

拝啓 クレーマーB様

貴方のご両親は、健康住宅に拘っておられたのですね。だからこそ堅実な建築士事務所に設計監理を依頼し、多少高くついても無垢の木材で仕上げたかったのですね。
けれど、残念ながら施工した工務店がひどすぎました。余りにレベルが低かった。設計事務所の先生は、その工務店とは初めてだったと仰っていましたが、もう少し早く気づいておられれば、こんな事にはならなかったとは思います。
今から思えば、あの工務店がお宅の工事を受注したときは、既に倒産の時期が迫っていたのでしょう。だから工期は守れないし、工事自体も杜撰でした。それでも設計事務所はよく頑張られたと思いますよ。現場が間違えば、それを補う方法を懸命に工夫なさったし、懇切丁寧な指示書を沢山出しておられます。

最初の間違いは基礎でした。墨出しを間違ったので、土台と基礎天端が3㎝ほどずれたのです。これに対して設計事務所は立ち上がりの増し打ちを指示しました。この立ち上がりが、実は在来工法の浴室と脱衣室との間仕切り部分だったので、増し打ちによって脱衣室が狭くなり、予定していた洗面台が入らなくなったのです。
他にもこのようなミスが重なったのでしょう、貴方は工務店と交渉し、工事費を10%ほど値引きさせました。
その後、建前から1ヶ月ほど工事が停止したとき、貴方は設計事務所に対して毎日のように工事再開を催促していました。設計事務所は工務店に対して度々連絡を試み、その都度あなた方にも連絡していました。いよいよ別の工務店に替えなければいけないだろうかと考えつつ、現場確認に行ったとき、先生は驚きました。現場が動いているではありませんか。
工務店に聞くと、貴方に呼び出され、更に20%ほどの値引きを迫られて工事を再開したとの事でした。工事が停止していた理由は知りませんが、設計事務所が知らない間に工事再開されたら、適切な監理を行なえるわけがありません。設計事務所はこの時点で監理を降りるべきだったのです。
でもこの先生は、やはり自分が設計した住宅がかわいいと、呼ばれもしないのに、現場に通ったそうです。
そうこうして、ようやく完成したものの、出来栄えは誉められたものではありません。工務店は、入居に際して残金の支払いを求めましたが、あなた方は支払わなかった。この時点で、工事費は契約工事費の70%程度にまで値引きしていたのに・・・です。
挙句、あなた方は工務店に損害賠償を求めて訴訟しました。工務店はこの時点で契約金額の半額程度しか受領して居らず、この訴訟と同時期に倒産してしまいました。会社が無くなっているのだから、裁判でも十分な反論は行なわれず、あなた方の主張がほとんどそのまま通りそうな気配が見えてきたとき、あなた方はなんと、設計事務所を訴えたのです。工務店が倒産してしまったから、お金が戻ってこない事が理由でしょう。
設計事務所にとっては寝耳に水で、あれだけ苦しく辛い監理を完了させ、しかも監理報酬を全く請求していないにもかかわらず、監理ミスという事で取り壊し建替えを求められたのです。
懸命の抵抗も空しく、設計事務所は負けました。そして監理報酬はおろか、設計報酬として受け取っていた金額とほぼ同額の賠償金を支払ったのです。
結果、あなた方はあの家を、請負契約金額の40%程度で手に入れたんですよね。そして、あの時のまま手直しもせず住んでおられる。裁判中には「怖くて住んでいられない」って主張なさっていたのに。
貴方が失業中という事は知っています。ご両親が住宅を新築するお金があるのなら、自分に廻して欲しいと思われたのですね。だからといって、貴方の遣り方は誉められたものではありませんよ。ホント、えぇ加減にせぃ!

拝啓 住宅リフォームの訪問販売業者A様

どのツラ下げて、あのおじいちゃんの家へ、・・・よくもまぁ4回も来られたもんです。

1回目は確かに外壁をサイディングに改修していたけれど、耐火性能のカケラも無い商品でしかも脳天釘留めで¥18,000/㎡は高過ぎますよ。
その工事が終わって一年後に又来たでしょ。「法定点検です」って?! 自動車じゃないんだからね。定期点検というならわかるけれど、でもそのとき貴方は既に別の会社の名刺を出していたじゃないですか。それで「前の会社の仕事で迷惑掛けたんじゃないかと心配で・・・」って、ホントよく言うよ。おじいちゃんは、貴方がこの家のことを気に掛けてくれてたんだと喜んで。結局新しい会社で、その外壁を全部やり替えたじゃないですか。たった1年しか経っていないのに。しかも以前より高額で。

この外壁工事中に、今度は構造補強屋さんが来ましたよ。それでおじいちゃんが「外壁をやり替えてるトコやから、そんなお金無いわ」って断ったら、「じゃぁ点検だけしてあげましょう。それで何も無かったら安心出来るでしょ。勿論点検は無料にしてあげます」って、床下と小屋裏に潜り込んで、「えらいこっちゃ! スグに補強せなぁあきませんわ!」って脅かすのよ。おじいちゃんビックリして、「そんなお金あらへんがな」って言ったら、「今工事している外壁屋の見積見せてもらえますか」って言って、「不必要なものが見積に入っているから、僕が交渉して、この分安くして貰います」とまぁご親切なこと。その結果30万円安くなったとかで、またおじいちゃん喜びましたよ。感謝しましたよ。で、結局構造補強する事になってローン組まされましたよ。あのおじいちゃん、国民年金と退職金の食いつぶしで生活してるのよ。ローンなんて払えるわけ無いじゃないですか。

後でその補強工事を見てみたら、何の事は無い、ぴかぴかの金物があちこちに取り付けてあるけれど、肝心の箇所には補強も何も無いじゃないですか。たったあれだけの工事だったら、職人ふたりで2・3日で終わったでしょうね。それで130万円なんて滅茶苦茶じゃないですか。
このおじいちゃんを担当している、社会福祉協議会のケアマネさんに聞いたのですが、どうやらあの構造補強屋さんと貴方は仲良しらしいですね。
言やぁグルじゃないですか。

ついこの前、貴方は三度(実は4回目)おじいちゃんを訪れたそうですね。また名刺変わってて、今度は換気扇屋さん。床下と小屋裏を換気しなければって、換気扇を全部で15台売りつけましたね。この家の基礎には換気孔が1箇所しか無くて、そこに1台だけ換気扇を取り付けて、あとは床下に6台置いてありました。カタログを見たら『攪拌用』ですって。私、床下を覗いて見ましたが、防湿コンクリートが施工されていてしかも2m程もある高床ですから湿気てはいませんよ。「スイッチ切ったらあきません」と貴方が言い残して帰ってから、おじいちゃんはそれを忠実に守っているそうです。でもね、おじいちゃんは1階で寝ているんですよ。そしてこの部屋の床下には断熱が無いのですよ。だから寒いなんてぇもんじゃありません。
小屋裏も同様で、この家には妻換気孔が1箇所しかないのですが、全部で10坪程度の小屋裏に、床下と同じ攪拌用の換気扇が8台ありました。あの換気扇、1台で30万円というのは、ちょっと取り過ぎですよ。
いくら仕事が無いからといって、老人を食い物にして、挙句の果てに自己破産までさせるなんて、ホント、えぇ加減にせぃ!

拝啓 住宅リフォームの訪問販売業者B様

この近所で工事していますから、今だとお安くさせて貰いますと、貴方がこの家を訪れた時、置いていった名刺では『某有名塗料メーカーの特約代理店』と『某農協融資工事特約店』というフレコミ。でも問い合わせたら嘘だという事が判りました。
着手金を半額支払ったのに一向に工事に掛からないから、おかしいなぁって思っていたら、ご近所の工事を担当したという大工さんが来て、「奥さんトコ、半額支払いが残っているなら、それを自分に払って欲しい」と言うんだそうです。あの大工さん、お金貰ってないんですって。お宅の会社へも行ったそうですよ。でも無いんですって。名刺の住所は確かにあるのだけれど、住宅しかなくて看板が見当たらなかったそうです。それでこの家の奥さんがビックリしてお宅の会社に電話したら、「○×工務店です」と答えず個人名を名乗るでしょ。オカシイですね。
でも工事さえしてくれればいいかと思っていたら、着工してスグに、残金を払えって言ったそうじゃないですか。奥さんは勿論文句言いますよね。当然だと思います。そしたら貴方は、奥さんに卑猥な言葉を浴びせ、それでも気丈に支払いを拒んだら、挙句の果てに町内の電柱に「△▽邸の工事代金が改修できないため、当社は倒産しました」ってビラを貼ったんですって?
言葉を失うというのは、こういうことを言うのでしょうね。ホント、えぇ加減にせぃ!