5.給排水設備のメンテナンス

この項では、飲料水の供給が受水槽を経由している場合について述べています。
受水槽の無い、「加圧給水方式」や「直結増圧ポンプ方式」の場合は、ポンプの点検以外、特段の検査等は不要です。

■ 簡易専用水道

.有効10㎥(10ton)を超える容量の受水槽は、簡易専用水道に該当します。
100㎥(100ton)を超えると「専用水道」となりますが、殆どのマンションは、これだけの貯水量が必要な場合でも、
水槽を複数に分割していますので、簡易専用水道となっています。

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水道法第34条の2
簡易専用水道の設置者は、厚生労働省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない。
2 簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、厚生労働省令の定めるところにより、定期に、
地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。

水道法第34条の3:検査の義務
前条第2項の登録を受けた者は、簡易専用水道の管理の検査を行うことを求められたときは、正当な理由が
ある場合を除き、遅滞なく、簡易専用水道の管理の検査を行わなければならない。

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水道によって供給される水の水質管理については水道法により水道事業者に対し、
常に水質基準に適合した水を供給することを義務づけています。

ただし、水道法では水道事業者の責任範囲を給水管(引込管)並びにこれと直結している給水器具(これを一括して
給水装置と呼びます)によって供給される水までとされています。

従って、受水槽を設けて給水している場合、受水槽以降の給水施設並びにこれらの施設によって供給される水の水質は、施設の設置者が、自らの責任において管理しなければなりません。

■ 水槽の清掃

容量10ton以上の簡易専用水道では、受水槽、高置水槽等の水槽の、年1回の清掃が義務付けられていますが、10ton以下の
水槽でも、これを目安に行なうことをお勧めします。
水槽の清掃は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に基づき、知事に登録している建築物飲料水貯水槽清掃業者
などに依頼して実施するようにして下さい。

水槽の清掃は、通常は水槽を空にしないと出来ません。
槽がひとつの場合、各住戸で断水する可能性がありますので、
事前に周知徹底しなければなりません。

■ 水質検査

給水栓水(蛇口から出る水)の色、濁り、臭い、味等に異常を認めたときは、必要な項目に関する水質検査を行ないます。
この場合の「給水栓水」は、貯水槽から給水されている範囲の、最も離れた位置を選定します。
管理事務室や集会室の給水は、受水槽を経由していない場合もありますので、竣工図面などで確認して下さい。

大阪府では、簡易専用水道に義務付けられた水質検査は、

・ 『色・濁り・味・におい』について異状を認めたときに、必要な項目の検査を行なうこと
・ 年1回の定期点検の際の、水質検査  

です。

水槽の清掃は、年1回行なうことが義務付けられていますので、その際に、清掃業者に依頼して
水質検査を行なうことが一般的です。

飲料水には、0.1ppm以上の残留塩素を維持することが必要で、これを下回ると雑菌が繁殖してしまいます。
この残留塩素が「カルキ臭」となって現れます。
残留塩素の測定に必要な機器や薬剤を管理室に常備し、週1回程度測定し記録しておくことが望まれます。

■ 施設の点検等

水槽その他の施設の状況を点検し、有害物や汚水等による水の
汚染防止を講じます。

水槽の亀裂やマンホールの蓋の破損、
その他の施設の不備により、
有害物や汚水等が混入し、
供給水が汚染されることのないよう、
施設の定期点検を励行し、
不備な点を発見した場合は、
速やかに補修改善しなければなりません。

地震、凍結、大雨等供給水の水質に影響を及ぼすおそれのあるような事態が生じた場合には、特に注意が必要です。

■ 給水停止及び関係者の周知

供給水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちに給水を停止するとともに、
その水の使用が危険である旨を関係者に周知しなければなりません。
関係者とは、供給水を利用している者、所管保健所及び市町村水道局等をいいます。

簡易専用水道検査機関一覧は、厚生労働省のウェブページをご覧ください。
厚生省のウェブページはこちら

近年、水道本管の整備が進み、管径が太く或いは給水圧が高くなった地域が増えています。
同時に、受水槽を経由した飲料水に違和感を覚える人も多くなり、受水槽のスペースが無駄だと言うことと相俟って、
水槽を撤去して本管との直結に切り替えるマンションが多く見られます。
各自治体の給水状況によりますので、まずは水道局に問い合わせましょう。

高架水槽方式 ⇒ 直結増圧ポンプ方式

受水槽の水は、ポンプで高置水槽まで揚げ、そこから自然落下で各住戸に給水しています。
その結果、各住戸の給水圧は、上階が低く下階が高いという状況になっています。
これを直結増圧ポンプ方式に変更すると、上階の給水圧は以前より高くなり、下階のそれは以前より低くなります。

特に上階について、既存の配管や器具との接続が、その圧力に耐えられるかどうかの調査を行なわなければなりません。
もし老朽化などで給水圧に耐えられない場合には、配管替えや器具の取替えを検討しなければならない可能性も否定
できません。

★増圧ポンプは、年1回の断水点検が必要です。

加圧給水方式 ⇒ 直結増圧ポンプ方式

受水槽の水を、加圧ポンプで直接各住戸に給水しているので、高置水槽はありません。
この場合、直結増圧ポンプ方式に変更しても、各住戸への供給状態に変化はありませんので、高架水槽方式からの
変更と比較して、問題が少ないと言えます。



排水設備のメンテナンスは、雑排水管の清掃を指します。(法定の作業ではありません)
年1回洗浄することが望ましく、住戸内で対象となるのは、キッチン・浴室・洗面台・洗濯機パンなどで、トイレは
含まれません。

※ もともとトイレの汚水排水管は詰まることを予想しておらず、もし詰まるとすれば、
汚物以外の例えばオムツなどを流した場合に限られます。

雑排水管内にこびりついているのは
主に毛髪と油脂で、高圧洗浄するのが一般的な方法です。
10年以上洗浄していなかった建物にいきなり高圧洗浄をかけると、
圧力で管が破損し、漏水事故を起こす可能性もあります。

また、古い建物で排水管が鉄製の場合には、高圧洗浄で、
管の穴を塞いでいた錆を除去してしまい、漏水した例もあるそうです。

不在者の多いワンルームマンションなどでは、
実際に清掃が実行できた住戸数に応じた「出来高制」で費用算定してくれる業者もあるそうです。
この場合、次の年には必ず在宅してもらい、洗浄を徹底できるようにしましょう。

いずれにしろ、排水管洗浄には熟練した技術力を要しますので、業者選定は慎重に行ってください。
また「1年間の詰まり保証」があれば安心です。

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4.電気設備のメンテナンス

マンションに、電気設備に関する法定点検を要する可能性があるとすれば、「自家用電気工作物」だけと考えてよいでしょう。
この「自家用電気工作物」というのは、電力を高圧で引きこみ、変電設備で低圧に変電してから各住戸に配電する
設備のことです。
一般家庭の配電設備は「一般用電気工作物」で、マンションの各住戸もこれに該当します。

『一般用電気工作物』は電力会社が保安業務を担いますが、『自家用電気工作物』は自主保安が原則で、
電気事業法(39条・42条・43条)で、下記項目が義務付けられています。

・ 技術基準維持義務
・ 保安規程の作成・遵守義務
・ 主任技術者の選任義務

それで、管理組合は、電気主任技術者を選任し、電気設備保全のため点検計画などを定めた保安規程を作成し、
経済産業省に提出しなければなりません。
さらに毎年1回設備を停電して精密検査・測定、また毎月1回外観点検などを実施し、報告することになります。

※点検周期は、設備の内容によって相違します。

実際には、電気主任技術者が居るマンションは殆ど無く、保安管理業務を外部委託することになり、
近畿では、多くの場合『((財))関西電気保安協会』に保守を依頼しています。
これ以外に、安く請け負う業者もあるようです。

一般的には、マンション内に「電気室(※)」を設けて変圧器を設置しますが、店舗があったり
機械駐車装置がある場合にはキュービクル(機器一式を金属製の外箱に収めたもの)を設置します。
電気室には、管理員や管理会社でも出入できません。

※ 電気室は、近畿では「関電借室(かんでんしゃくしつ)」と呼ばれています。

以前は、住戸数50戸程度以上であれば借室を用意するかキュービクルを設置しなければなりませんでしたが、
近年は70~80戸程度まででしたらパットマウントという変圧器を設置することで、借室が不要になっています。
借室は、将来のことを考えて余裕のあるスペースを確保していますので、概ね1LDK程度のスペースが充てられて
います。
「借室」といえども、電力会社が賃料を支払ってくれるわけではありません。

電気室は電力会社の管理下にありますから、点検は電力会社が行ないます。
また、キュービクルタイプの電気室は、管理組合に点検義務があるため、有資格者に点検を依頼します。

多くのマンションは、高圧で受電し、各住戸は低圧に変電された電力を受電しています。
そして電力会社との契約は『低圧契約』になっています。これを、専門事業者の変電設備を導入して、
契約方式を『個別低圧契約』から『一括高圧契約』に変更して電気代を安くする試みがあります。

低圧契約は、戸建住宅など電気の使用量が
比較的少ない小口需要家向けの契約で、
高圧契約はテナントビルや工場などある程度
まとまった量の電気を使う大口需要家向けの
契約です。

高圧契約は低圧契約よりも料金単価が低いので、同じ量を使用した場合、高圧契約の方が電気料金が安くなります。
マンションなども、一棟で契約することによって大口需要家となり、この高圧契約を利用することが出来ます。

しかしまだ一般的といえるほどに成熟したシステムではなく、どこでも経費削減できるというわけでもないので、
第3者的立場の専門家を交えた慎重な検討が必要です。
また契約方式の変更は、総会決議を要する事項です。

非常用発電機の概要
一定規模の建築物には、スプリンクラーや屋内消火栓、排煙機などが設置されます。
これらの設備は「火災で停電になったので使えません」という訳にはいかないので、防災設備専用の非常電源設備が
必要になります。
建築物の電気設備として使用する非常用発電機は大きく分けて、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンの
二種類があります。

非常用電源の点検・報告
非常用電源の点検は、
建築基準法による外観点検 :建築設備の定期検査・定期報告(1回/年)
消防法による点検 :消防設備の定期検査(機器点検:1回/6ヶ月)(総合点検:1回/年)(報告:1回/3年)
電気事業法による点検 :電気設備の定期点検(外観点検:1回/月)(精密点検:1回/年)

の3種あります。

いずれにしろ、停電点検を年1回行なわなければなりません。
エンジンオイル・フィルター・冷却水不凍液などは2~3年、
Vベルト・ゴムホース等のゴム製部品・始動用蓄電池などは5~8年が、適正交換時期と言われています。

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3.消防(防災)設備のメンテナンス

消防用設備等を設置することが消防法で義務づけられている建物の関係者(所有者・管理者・占有者)は、
その設置された消防用設備等を定期的に点検し、その結果を消防長または消防署長に報告しなければなりません。

(消防法第17条、17条3の3、17条の4)

消防用設備等は、いつでも確実に機能を発揮するものでなければならず、日頃の適切な維持管理が必要です。
このため、消防法では消防用設備等の点検・報告ばかりではなく、整備を含め、適正な維持管理を行うことを
防火対象物の関係者に義務づけています。
また点検を行うことのできる資格、消防用設備の種類に応じて行う点検の期間、点検の方法も定められています。

(消防法施行規則第31条の4、告示 昭和50年4月1日 消防庁告示第3号)
・ 法第6条⇒消防法施行令 別表第1により、共同住宅は第(5)項ロで示される防火対象物に該当する。

法定点検を行なわなかったり、虚偽の報告をした場合、30万円以下の罰金または拘留に処せられます。






      




  
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消防法第17条の3の3【消防用設備等又は特殊消防用設備等についての点検、報告】
第17条第1項の防火対象物の関係者は、
当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(中略)について、

総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあっては
消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、
その他のものにあっては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。
防火対象物:(ex.共同住宅:(5)項ロ)

消防法第44条
次のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金又は拘留に処する。
十一 第8条の2の2第1項(第36条第1項において準用する場合を含む。)又は第17条の3の3の規定による報告をせず、
又は虚偽の報告をした者

                                  
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消防設備には、消火設備・警報設備・避難設備があります。
それぞれの設備に応じて、6ヵ月毎の機器点検や1年毎の総合点検が課せられ、マンションの場合にはその点検結果を
3年毎に消防所長に報告しなければなりません。

消防設備の定期点検費用は、異状に高いあるいは異状に安い場合があるようです。
前者は、いろいろな会社の中間マージンが加算されているし、後者の場合は正規の技術者以外が点検するなどの
問題がありそうですので、複数社から見積を採ってみてください。

【機器点検】:6ヵ月毎
消防設備の損傷や腐食がないかを外観点検するとともに、実際に設置されている設備を作動させ火災時に
有効に作動するかを確認します。

作動点検:消防用設備等に附置される非常電源(自家発電設備に限る)または動力消防ポンプの正常な作動を、
     消防用設備等の種類等に応じ、告示で定める基準に従い確認すること

機能点検:消防用設備等の機器の機能について、外観からまたは簡易な操作により判別できる事項を消防用設備等の
     種類等に応じ、告示で定める基準に従い確認すること

外観点検:消防用設備等の機器の適正な配置、損傷等の有無その他主として外観から判別できる事項を、
     消防用設備等の種類等に応じ、告示で定める基準に従い確認すること

【総合点検】:1年毎
機器点検に加え、配線点検や放水試験などさらに詳しい内容について機能を確認します。
消防用設備等の全部もしくは一部を作動させ、または当該消防用設備等を使用することにより、
当該消防用設備等の総合的な機能を消防用設備等の種類に応じ、告示で定める基準に従い確認すること

【点検結果報告】非特定防火対象物(ex.共同住宅・倉庫.etc):3年毎
消防設備を点検する会社は他沢山あります。
ひとくちに消防設備と言っても、設置工事を考えれば、消火設備は殆どが給水設備工事、警報設備は電気設備工事、
避難設備は建築工事で行なわれ、つまり新築工事時点では専門領域がそれぞれ相違しています。
それらの施工者に点検依頼すると、煩雑になりかねません。
これらを一括して点検してくれる『防災設備専門業者』もありますが、社名はそんな感じでも、消火設備のみとか
警報設備のみというところもありますので、それぞれの建物にある消防設備の種類と見比べて検討することが必要です。

                                   

消火器について、メーカーは8年を目途に、消火器本体に有効期限を記載しています。
設置環境が良く点検で異常がなければ、メーカーの有効期限にこだわらなくてもよいでしょう。

『本体の変形や錆や傷が無いか?』『ホースの劣化は無いか?』『圧力ゲージのある場合ゲージのメモリが
正常内(緑色の範囲)を指しているか?』などは、誰でも確認できますので、異状を発見した時点で交換してください。
まれに、「消防署の依頼で来ました」などと言って、消火器の押し売りが来るようです。
管理員のいるマンションには滅多に来ませんが、自主管理の場合や賃貸マンションのオーナーは注意して下さい。

点検周期
6ヶ月(機器点検) ※総合点検はありません
費用
10個程度なら、概ね7000円程度
製造後3年以上経過した消火器は、1~2本を抽出して機能点検します。
その費用は、1500円(圧力ゲージなし)~3000円(圧力ゲージ付)です。

取り替える場合には、リサイクル費用(≒2500円)が必要です。ネットで購入する場合には注意しましょう。
また、大手メーカーや消防設備業者から購入すれば、下取り制度も用意されています。

                                   

屋内消火栓は、人が操作することによって火災を消火する設備であり、水源、加圧送水装置(消火ポンプ)、
起動装置、屋内消火栓(開閉弁、ホース、ノズル等)、配管・弁類及び非常電源等で構成されていて、各部位について、
6ヶ月毎の機器点検と1年毎の総合点検が必要です。
またホースや配管は、設置後10年を経過したものは、3年毎に耐圧試験を行わなければなりません。

機器点検は、目視と簡単な作業(ex.バルブ開閉は容易か、著しい錆が無いか等)に依る確認ですが、総合点検では、
非常電源に切り替えた状態で、直接操作部や遠隔起動装置を起動させ、任意の屋内消火栓より放水し、加圧送水装置が
正常に作動するか・放水圧力が規定圧力範囲内か・放水量が規定量以上か、等について点検します。

点検周期:機器点検(6ヶ月)総合点検(1年)
費用  :機器点検・総合点検とも20,000円程度
        ホース耐圧試験:30,000円程度(単独の場合)
        配管耐圧試験 :70,000円程度
※ 左写真のボックス上部は、警報装置です。

屋内消火栓には非常用電源が設置されています。
消防設備点検では主に外観点検となり、発電機自体の点検は、『電気設備の点検』で行ないます。

定期清掃や日常清掃の際に、屋内消火栓の水を利用しているマンションがあるという噂を聞きました。
頻繁に使用すればホースなどの劣化を招きます。いくら毎年総合点検しているからと言っても、大変不適切です。

                                   

連結送水管は、マンションの場合だと、外部からの消火活動が困難な7階建て以上の建物に設置されます。
屋外からの放水に加えて屋内からも消火活動することが得策ですが、地上からホースを伸ばして放水する事は、
高層建物では無理があります。
それで、消防隊は空のホースを上階まで運んで放水口に接続し、ポンプ車で加圧された消火用水を送水口から送水して、
消火します。

送水口は、通常は道路付近に設置されますので、メンテナンスが行き届いています。
ところが放水口を内蔵するボックスは、多くの場合屋外階段など「裏側」に設置されて目が行き届かないことが多く、
また鋼板に塗装されたものを用いていますので、外観はそれなりに綺麗でも扉を明けると錆だらけということも珍しく
ありません。
ボックスの状態が消火活動に影響するものではありませんが、扉周囲がさび付くと開放が困難にもなりかねません。
共用部の清掃の際に、ときどき扉を開けてチェックするだけで、随分違ってきます。

連結送水管の点検は、実際には配管の点検で、消火ホースと同様、設置後10年を経過したものは、
3年毎に耐圧試験を行わなければなりません。
また70m以上の建物の場合、ポンプ車による送水を補助するため、非常電源設備を備えた加圧送水装置を
設けていますので、この点検も必要です。

点検に要する費用は、建物高さや系統数によって変化します。
                                   

排煙設備は、消防法ではなく建築基準法に規定されたもので、別項『特殊建築物等定期調査・定期検査』のうち
「建築設備の定期検査・定期報告」の対象となりますが、防災設備の一種として。ここで説明しておきます。

火災時に発生する有毒な煙や熱を排出して、避難経路を確保するのが排煙設備で、機械排煙と自然排煙とがあります。

・ 機械排煙設備:手動開放装置を操作することにより排煙口が開き、自動的に排煙機が作動して煙や熱を外に
         出します。
・ 自然排煙設備:排煙窓を手動開放装置を操作して開放し、煙や熱を外に出します。

いずれも、火災発生時に避難する人が操作するというより、到着した消防隊が操作することを想定したもので、
『消火活動上必要となる設備』という位置づけです。

春秋の中間期に排煙窓を通風孔として開閉している建物があります。
頻繁に操作するとワイヤロープの劣化を早めてしまいますので、その場合には頻繁に自主点検するなどして、
注意して下さい。


                                   

火災が発生し、感知器が火災を感知すると信号が受信機に送られ、自動的に警報が鳴ります。
また、感知器より先に気づいた人が警報を鳴らせるための押しボタン(発信機)もあり、この発信機の場所を示すために、表示灯(赤色ランプ)が設置されます。

発信機、地区音響装置(警報ベル)、表示灯を一つの箱に収容したものを、総合盤と呼んでいます。
各住戸内に設置された感知器も点検の対象ですが、ワンルームマンションなどでは、点検時に不在であることが多く、
点検割合が20%という場合も珍しくありません。
不在住戸への立ち入り許可はプライバシーの問題もあってなかなか得にくいものですが、そういう居住者は限られていて、つまりある住戸については何年にも亘って点検できていないと言う状況が続きます。
管理組合或いはオーナーから、不在の場合の措置について申し出てもらうよう進言すべきでしょう。

最近、不在者が多いマンション向けに、外部から機能点検できるシステム(遠隔試験機能・自動試験機能など)が
開発されています。
警報設備更新時期に検討しても良いでしょう。

それぞれの交換時期としてメーカーが推奨している期間は、
・ 感知器:10~15年
・ 受信機:15~20年
・ 発信機・地区音響装置:20年
  です。


                                   

住宅用火災報知機は、戸建住宅やアパート、或いは法令によって自動火災報知設備が免除されている
マンション等の住戸に、設置が義務付けられました。
新築の場合は、平成18年から既に適用されていますが、既存住宅の場合は各自治体で適用時期が異なります。
近畿地方では、奈良県が平成21年、その他の府県は平成23年で、義務化開始時期はいずれも6月1日です。
(但し、泉佐野市と田尻町は4月1日)

【住宅用火災報知機の設置】
・既存設備の見分け方
住戸に自動火災報知設備の感知器が付いておれば不要です。

・賃貸住宅の場合の設置義務
消防法によると、住宅の用途に供される防火対象物の関係者に設置義務があるとされています。
関係者という意味では貸主、管理会社、借主すべてに設置義務があると解釈できるのですが、
慣例的には居住者に安全な建物を提供する責任があるという観点から、貸主が設置することが多いようです。

消防法で定める点検義務はありませんが、月に1度はご自身でテストボタンまたはひもを引いて、
正常に機能するか確認しましょう。
自動試験機能がついている機器で、異常ランプが性能の異常を知らせている場合は、機器を交換しましょう。

                                   


バルコニーの床面に設置されているハッチ上蓋を開くと、自動的に下蓋も開いて、内蔵されたハシゴが降下します。
垂直避難口とも呼ばれ、バルコニーからの避難を可能にする重要な設備です。
上下階で有効60cm以上離れて設置されています。
自分のバルコニー床面にある避難口に物を置く住人は居ないでしょうが、上階ハッチの直下には、往々にして植木鉢や、
酷い場合空調室外機や物置を置いている例があります。
ただでさえパニックに陥っている避難を、より危険にする行為です。

 ハッチは鋼板製のものが多く、雨ざらしでもありますので劣化が早く進みます。
適切に塗装替えし、劣化が激しければ交換も検討しなければなりません。

 また、1階に店舗などがあるマンションでは、2階ハッチの直下にテントや空調機があって避難を妨げている
ケースがあります。
その店舗との交渉が大切ですが、話し合いが成立しない場合は、据え置き型の避難ハシゴや緩降機の設置を検討
しましょう。
※ 緩降機は、外部にアームを突き出して滑車を取り付け、ロープをかけて降ります。
  一般的ではない避難器具ですので、利用する可能性のある住人への周知徹底を要します。

  マンションでは、共用廊下のほかにバルコニーからも避難できるという『2方向避難』によって、
法令上の特典を受けていることが多いので、この大前提は維持しなければなりません。

避難器具の点検を単独で行なうことは少なく、殆どの場合は他の消防設備の点検と同時期に行ないます。
その場合の費用は、避難ハッチ1箇所あたり1,000~2,000円程度、緩降機1台あたり7,000円程度でしょう。
ただしこれも、専有部に立ち入っての点検ですので、居住者の理解と協力を要します。

                                   

誘導灯は、停電時でも点灯するようバッテリーを備えています。バッテリーの寿命は4~6年とされ、
また灯具自体の適正交換時期は8~10年で、耐用限度は12~15年とされています。
これは非常用照明器具も同様ですので、大規模修繕工事にあわせて器具交換・中間時期にバッテリー交換を計画すると
良いでしょう。

誘導灯の光源はこれまで蛍光ランプでしたが、
近年LEDのものが発売されています。

★当然の事ですが、誘導灯は、避難口の方向を向いていなければなりません。

                                   

非常用照明は建築基準法に規定されたもので、別項『特殊建築物等定期調査・定期検査』のうち
「建築設備の定期検査・定期報告」の対象となります。


非常用照明も誘導灯と同様のバッテリーを備えており、交換時期も同様です。

ただ、特にマンションの場合、屋外階段や開放廊下に設置されているものが多く、
上右写真のように激しく劣化しているものが多く見受けられます。

中高層の場合階段を利用する機会が少なく、また廊下には各住戸の玄関灯が設置されていて、器具の劣化や
球切れに気づかずに放置されていることも少なくありません。
この状況は、住まい手にとってはあまりに気にならなくても、来訪者には管理不良を強く印象付けてしまいます。
特に球切れは、定期検査を待たずに自主的に交換するようにするとよいでしょう。

                                   
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2.エレベータのメンテナンス

ここでは、法定検査を除くメンテナンスについて述べます。
法定の定期検査については、別項「特殊建築物等の定期調査・定期検査」を参照してください。

エレベータの法定耐用年数(償却期間)は17年で、メーカーが推奨するリニューアル時期は20~25年です。
これは、当然のことですが稼動状況や管理状態によって変動します。

                                   
■ メーカー系と独立系メンテナンス業者
数年前の市場の開放により、それまでメーカー系企業の独占市場であったのが、独立系といわれる、
メーカー系ではない保守・メンテナンス業務を主とする企業の参入により、競争原理が働くようになりました。

メーカー系は、誰でも知っている有名企業であるのに比べて、独立系は中小企業であり、その信頼度は自己責任で
判断しなければなりません。

また、独立系には、メーカーの最新機種に対応する情報や部品が完全に公開されているとはいえないという特殊事情
もあります。これについて公正取引委員会は

主要メーカー系保守業者が、独立系保守業者にたいして、専用部品の供給を制限するような行為については
独占禁止法上「不当な取引拒絶」「不当な差別対価」「不当な取引妨害」等の問題となる場合がある

という見解を出したそうで、少なくはなったようですが、やはりまだ耳にします。

■ フルメンテナンスとPOG契約
フルメンテナンス(FM)契約
部品交換も含まれた契約で、経年劣化した電気・機械部品の取替えや修理費を契約内に含み、常にエレベーターを
専門業者が最良の状態維持していくことを約束する、といった内容の契約。当然に費用がかさみます。

POG(Parts・Oil・Grease)契約
電球やリレー接点など小額の消耗品の交換と、潤滑材の補給およびエレベータを定期的に点検・清掃・給油・
調整程度のみを行なう契約で、部品交換などの費用がその都度必要となります。
POG契約には、ヒューズ・オイル類・ベアリングなど定期的に交換しなければならない部品交換は含まれますが、
高額部品の修理や取替え、内装材等の取替えは含まれません。

※電球交換は、専門技術者でなければできません。

何かことが起こったときには人命に係わるという側面からすれば、FM契約を選択しておけば安心感が得られます。
しかし料金面を見れば、当然高くなってしまいます。

エレベータ自体が新しいうちは故障が少ないので、POG契約で安く済ませる事もできますが、年を経るごとに
故障箇所が増えたりなどしてきた時には、逆に、費用負担が重くのしかかって来ます。

当初POG契約にしておき、毎回の修理費をよく観察しておいて、費用負担が大きくなってきた時点で
FM契約に切り替えるということも可能です。
ただし築年数が15年程度以上経過した建物では、この契約は結べないことがあります。

それぞれの契約の料金の相場
◆ FM契約:月額5~6万円台
◆ POG契約:月額4~5万円台が主流。3万円以下というトコロもある。

■ 法定点検と定期点検
法定点検・定期報告は年1回で、この報告済証が、かご内部にある
「定期検査報告済証」です。(左図)

多くの分譲マンションで採用されている毎月1回の点検は、
「法律には定められてないが、これくらいやっておいたほうがいいんじゃないの?」と、いわば管理会社やエレベータ会社が勝手に考えた
頻度です。(「指針」には「使用頻度等に応じて専門技術者に、
おおむね1月以内ごとに、点検その他必要な整備または補修を行わせる」とあり、使用頻度に応じた判断で、としています。)

この『点検』というのは、「現場に係員が実際に出向いて行なう点検」のことであり、
現実には多くのエレベータは、電話回線を通じた遠隔操作により、こまめに点検されています(遠隔監視)。
夜中の2時3時、誰も乗らないような時間に、エレベータを遠隔的に動かして、正常に作動しているかどうか確認して
いるのです。
ですから遠隔監視が適切に行なわれておれば、半年に1回の点検でも問題はないのかもしれません。

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1.特殊建築物等の定期調査・定期検査

建築基準法第12条の規定により、
特定行政庁が指定する特殊建築物等の所有者(管理者)は、
専門技術を有する資格者に定期的に調査させ、その結果を特定行政庁に報告するよう
に義務づけられています。

定期的な調査を行うことで、建築物の利用者の安全を確保し、事故の発生を未然に防ぐことが目的です。

建物等を適切に維持管理するとともに、定期的な調査・検査の結果を特定行政庁に報告することは、
所有者・管理者に課された義務であり、定期報告をすべきであるのにしなかったり、虚偽の報告を行った場合は、
罰則の対象(百万円以下の罰金)となります。

                     
                     
                     
                           
                                       
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建築基準法第8条:維持保全
建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持する
ように努めなければならない。
2  第12条第1項に規定する建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な
  状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措
  置を講じなければならない。この場合において、国土交通大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指
  針を定めることができる。

建築基準法第12条:報告・検査等
第6条第1項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物(中略)で特定行政庁が指定するものの所有
者(中略)は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期
に、1級建築士若しくは2級建築士(中略)にその状況の調査(当該建築物の敷地及び構造についての損傷、
腐食その他の劣化の状況の点検を含み、当該建築物の建築設備についての第3項の検査を除く。)をさせて、
その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
3 昇降機及び第6条第1項第一号に掲げる建築物その他第1項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(中略)
 で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、
 1級建築士若しくは2級建築士(中略)に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を
 含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

建築基準法第101条
次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する。
二  第12条第1項又は第3項(中略)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

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報告済証の例

建築物定期調査報告済証  建築設備定期検査報告済証    昇降機定期検査報告済証

法令に定められた定期報告には、
・ 特殊建築物等の定期調査
・ 建築設備の定期検査
・ 昇降機等の定期検査
の3種があります。

「特殊建築物等の定期調査」及び「建築設備の定期検査」の義務付けは、建物用途や規模に依って変化しますが、
「昇降機等の定期検査」(エレベータ・エスカレータ)については、建物用途・規模に関わらず、点検が義務付け
られています。

対象となる建物の例を以下に示しますが、対象となるかどうかの判定は特定行政庁によって相違しますので、確認が
必要です。

対象となる建築物(例)と規模(大阪府の場合)

※1 面積・階数については、敷地内に2棟以上ある場合、その合計ではなくそれぞれの棟単位で適用
※2 共同住宅の建築設備定期検査は住戸以外の共用部分(ホール、階段、集会室等)に設置されているもののみ。
ただし、堺市及び池田市は非常用エレベーター設置の有無にかかわらず建築設備は対象外。

大阪府内では、建物用途に応じて、報告の時期を定めています。
□ 病院・寄宿舎(独身寮) 等 :平成20・23・26年度・・・
□ 共同住宅 :平成21・24・27年度・・・
□ 学校・事務所・ホテル等 :平成22・25・28年度・・・

ただし、初回の報告は、建築基準法上の検査済証の交付を受けた場合は、
その初回にあたる報告年度については免除となり、2回目になる報告年度から報告対象となります。

例えば、平成21年度に完成したマンションで、
検査済証がある場合(分譲マンションの場合は、全て交付を受けていると考えてよいでしょう)、
次の報告時期である平成24年度は免除されて、平成27年度から対象となるという具合です。


近年、定期報告が適切に行われていなかったことが一因と思われる建築物や昇降機などの事故が多発していることから、定期報告制度が見直されました。

例えば建築物では、「外装タイル等の劣化・損傷」について、

また、「建築設備」については

と、変更されました。
                                   

建築基準法第12条第1項に規定される調査で、
主に建築分野における避難通路の確保等防災性と外壁剥落の危険性の有無等を確認調査するものです。
建築物の劣化・損傷の状況、防火・避難に係る施設の維持・保全の状況等について、
一級・二級建築士等が調査し、特定行政庁(※1)に報告するもので、
大阪府内では、(財)大阪建築防災センターが委託を受けています。

※1:特定行政庁(とくていぎょうせいちょう)は、建築主事を置く地方公共団体、およびその長のこと。
大阪府内では、大阪市、豊中市、堺市等17市。その他の市町村の窓口は大阪府。

■ 調査・報告に関する費用(ex.建築士に対する費用)
中規模マンションの場合、少なくとも建築物の定期調査だけで1日、書類作成に1日、
合計2日分程度の人件費に加えて、提出時に要する納付金(手数料)が必要です。
提出期限ギリギリになると、大阪府等都市部では、提出だけで丸1日を要することも多いので、
人件費に地域差が出ます。(報告の時期は4月1日から12月25日)

■ 調査・報告に関する費用((財)大阪府建築防災センター納付金)
「調査面積<1,000㎡の場合」の¥3,000から「調査面積>40,000㎡の場合」の¥15,000まで、
段階的に定められています。


平成20年の制度改正で、概略的な調査に加え、下記の項目が追加されました。
① 外装タイル等の劣化・損傷
手の届く範囲の打診検査を行ない、異状があれば全面打診により調査する。
竣工若しくは外壁改修工事から10年を経た後の、最初の定期検査の際には全面打診検査を行なう。
② 吹付アスベストの有無・飛散防止対策の有無と劣化・損傷
③ 防火や避難にかかる設備の差動状況の確認

これは、建築物の外壁について、
・ 平成18年4月:福岡県内の多目的ホールで外壁タイルの剥落
・   同年5月:東京都内の住宅で外壁タイルの剥落
・ 平成19年2月:島根県内の住宅で化粧柱やタイルの剥落
・ 平成20年5月:沖縄県内の商業ビルで外壁タイルの剥落
・   同年9月:東京都内の住宅で外壁タイルの剥落

と、外壁の剥落事故が相次いでいることに依ります。

問題は『① 外装タイル等の劣化・損傷』です。
打診検査の対象は、
・モルタル
・乾式工法以外で張ったタイル・石

この「タイルや石」については、
・コンクリートやALCパネル、
・PCa(プレキャストコンクリート)パネルなどにモルタルや接着剤で貼り付けたケース
・工場でコンクリートと同時にタイルを打ち込んで製造するPCa部材

が当てはまります。

「全面打診検査」は、先端に鉄球のついた棒などで外壁を叩く検査ですが、
手の届かない高さになれば足場が必要です。この足場に要する費用は、莫大な金額になりかねません。
勿論調査する建築士などの費用も格段に大きくなります。

外壁改修工事(通常大規模修繕工事に含まれる)の足場に匹敵する仮設足場が必要になり、
しかも竣工後或いは外壁改修後10年を超えた最初の調査の時にと指定されていますから、
まるで外壁改修工事を最大でも13年以内ごとに行なえと言っているようなものです。

足場を設けた「打診検査」に変わるものとして、国交省は「赤外線調査」を認めています。
これは建物の表面温度を測定して浮きなどを調べる方法で、この調査方法を用いると、足場を組む場合に比べて、
通常は調査費が低く抑えられます。(といっても、これまでと比較すれば格段に高くはなりますが。)
しかし調査会社は限られていますし、調査技術者も多くはありません。
また立地条件や建物規模によって採用できないケースもあります。

大阪府内のマンションの場合、次の「特殊建築物等定期検査」は2012年(平成24年)です。
2002年(平成14年)以前に竣工した建物或いは外壁修繕が完了した建物は、ご注意下さい。

                                   


建築基準法第12条第3項に規定される検査で、
・空調換気設備
・非常用照明設備
・機械排煙設備
・給排水衛生設備
を、主に防災性、機能性について検査します。
維持管理の状況を一級・二級建築士又は建築設備検査資格者等が検査し、特定行政庁に報告するもので、
これも大阪府内では、(財)大阪建築防災センターが委託を受けています。

大阪府内のマンションの場合には、非常用エレベータが設置されている場合にのみ、検査の対象となりますが、
堺市及び池田市は非常用エレベータの有無にかかわらず、建築設備は対象外です。
非常用照明や、エントランスホールなど共用部の排煙設備などが該当します。また施設や店舗等のある建物では、
上記の全項目が対象となる場合もあります。

★ 消防法に基づく法定点検とは異なる制度ですので注意してください

■ 調査・報告に関する費用(ex.建築士に対する費用)
調査者に支払う費用の考え方は、特殊建築物と同じですが、
照度測定や風量測定など調査機材の費用が別途必要となります。

■ 調査・報告に関する費用((財)大阪府建築防災センター納付金)
設備の種類によって相違しますが、概ね数千円で納まります。
● 非常用照明設備・排煙設備については、別項『消防設備のメンテナンス』を参照して下さい。
                                   

建築物に設置されたエレベータ、エスカレータ、小荷物専用昇降機(※)及び
遊戯施設について、その維持管理の状況を一級・二級建築士又は昇降機検査資格者等が検査し、
特定行政庁に報告するものです。
ホームエレベータも対象となりますが、小荷物専用昇降機は一定以上の規模のもののみです。

※ 小荷物専用昇降機:飲食店などで、品物だけを載せて上下する機械。
かつて「ダムウェータ」と呼ばれていましたが、ダム(Dumb:愚鈍)が差別用語とされて名称が変更されました。

法令に定められた調査資格には「建築士」も含まれていますが、平成20年の法改正によって、
調査内容が一段と専門的になったので、国土交通大臣の定める昇降機検査資格者に依頼されることをお勧めします。
報告の時期は毎年1回です。
多くの建物が契約している定期点検(※)に含まれていることが殆どです。

※ エレベータの定期点検については、別項「エレベータのメンテナンス」
を参照してください。


昇降機等については、
・ 平成18年6月:東京都内の公共賃貸住宅のエレベーターにおける死亡事故、
・ 平成19年4月:東京都内の複合ビルのエレベーターにおける発煙事故、
・    同年5月:大阪府内の遊園地のコースターにおける死亡事故、
・    同年6月:東京都内の雑居ビルにおける広告板落下事故、

など、建築物や昇降機などに関する事故が相次ぎ発生し、この中には、建築物や昇降機などの安全性の確保にとって
重要な日常の維持保全や定期報告が適切に行われていなかったことが、事故の一因と見られるものがありました。

これを受けて2009年9月、国土交通省は『戸開走行保護装置』の設置を義務付けました。
ブレーキ異常が生じた場合に、エレベータの開口部と建物の床・天井との間に挟まれる事故を防ぐことが目的です。

この『戸開走行保護装置』は
・ 2つの独立したブレーキを持つこと
・ 戸を開けたままでの走行を感知する装置の設置
・ 通常の制御プログラムが故障しても安全にエレベーターを停止できるような、別のプログラムの導入

の3つの機能をそろえた装置を大臣認定の対象として、義務付けられたものです。

ただし新設の場合に限定された義務付けで、それまでのエレベータには殆ど設置されていません。
これは、最も安価な場合でも100万円程度、通常は数百万を要するというコスト面の問題からです。
また、これ以前に設置されたエレベータでも、保護装置の設置はあまり進んでいません。
改修期間が2週間以上必要であるという問題からです。
それで、国交省では、設置が容易な安全装置の技術開発を促すための手立てを検討しているそうです。

この法令改正によって、それ以前に設置されたエレベータは
「既存不適格」
になり、法定の定期検査報告書にこれが記載されます。

先に述べたように、既存の装置に遡及されることはありませんが、
エレベータの大規模な修繕を検討されているケースであれば、考慮して下さい。

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建物の維持管理

マンションには、非常に多くの点検項目があります。

その中には、
Ⅰ.法令で義務付けられた項目
Ⅱ.法令では義務付けられていないものの、適切に管理しておくことが望ましい項目

があり、管理組合や賃貸マンションのオーナーとしては、それらを明確に理解しておくことが必要です。

消防設備やエレベータ・給水設備など、人命にかかわる可能性がある項目については、法律で、様々な点検が
義務付けられています。
もしこれを怠っていて、一旦事故が発生したときには、当然に管理不備の責任を問われ、建物の資産価値にも
影響する恐れもあります。
逆に、必要以上に丁寧な管理は費用の無駄遣いになりかねません。
維持管理費は、大切に使いたいものです。

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耐震診断(木造)


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① 強度・・・・・壁の強さ、壁の量
② じん性(ねばりづよさ)・・・・柱・梁(はり)の金物などの接合の状況
③ 形のよさ・・・壁の配置のバランス、屋根などの重さ、地盤の状態など
④ 劣化の度合い・・・建材の劣化による耐震性の減小の度合

木造住宅でいう「壁」(=耐震抵抗要素)は、一般的なものでは「構造用合板」(板材、パネル)のほか、
「筋かい」(斜材)などがあります。
「構造用合板」がしっかりと配置され「筋交い」がバランスよく入っているかという見方で評価していきます。
これらが有効な働きをするためには、柱や梁(はり)と一体で動くように固定されていることが必要です。

また、屋根の重さや軟弱地盤であることなどで、耐震性が変わってきます。
(屋根を鉄板葺き等の軽い屋根にした建物は、地震被害が少ないことが知られています。)
実際の建物の状態を的確に評価するために、現地調査を行います。

                           

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耐震診断(木造2)

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木造住宅の耐震診断基準には、一般診断法と、精密診断法があります。
木造住宅耐震判断基準・・・丸太組構法の住宅、旧38条認定および型式適合認定のプレハブ工法などの
             特殊な工法については、この耐震診断法は適用できません。

             柱・梁(はり)で構成される一般的な在来軸組工法や、
             枠組壁工法(2×4)などを主に扱います。

混構造ついて
一般診断法・・・立面的な混構造に限り、その木造は適用範囲に含まれますが、木造以外の部分は適用範囲外です。
        平面的な混構造は適用範囲外となります。
精密診断法・・・1階部分が鉄筋コンクリート造、鉄骨造の混構造住宅の木造部分に適用します。

診断は原則、大地震動での倒壊の可能性について実施します。
倒壊の可能性の有無は、建築基準法で求める水準により判断します。

         について

Agorasでも耐震診断を行っております。詳しくは事業概要のページをご覧ください。
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耐震診断(木造3)


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木造住宅の主な補強方法をご紹介いたします。


・壁に筋交いや、構造用合板を入れることで、地震に耐えられる壁を増やす。
・地震に耐えられる壁を配置良く入れて、つりあいを良くする。


・基礎コンクリートが無筋であった場合、新たに鉄筋コンクリートを抱き合わせる。
・コンクリートにひびが入っている場合、ひびに樹脂を注入する。


・床の下地に構造用合板を設置。
・吹き抜けを補強する
・火打ち梁を増強する。
・袖壁を設置する。


・屋根や仕上材を軽い材料にする。
・柱や梁、土台との接合部分を補強金物で補強する。
・老朽化や白蟻により腐朽した部材を、耐久性の高いものや防腐・防蟻処理をしたものに交換する。

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木造の耐震診断の判定指標

一般診断と精密診断の判定指標は次の通りです。
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判定は
『各部(一般診断と精密診断では調査箇所が変わります)』と『上部構造』の総合評価によって決まります。

上部構造の耐力の判断は、当該住宅が保有すべき必要耐力と実際に保有している耐力を比較することで行います。

評点結果が、0.7~1.0未満・0.7未満の方は、耐震改修をお考えください。