2.エレベータのメンテナンス

ここでは、法定検査を除くメンテナンスについて述べます。
法定の定期検査については、別項「特殊建築物等の定期調査・定期検査」を参照してください。

エレベータの法定耐用年数(償却期間)は17年で、メーカーが推奨するリニューアル時期は20~25年です。
これは、当然のことですが稼動状況や管理状態によって変動します。

                                   
■ メーカー系と独立系メンテナンス業者
数年前の市場の開放により、それまでメーカー系企業の独占市場であったのが、独立系といわれる、
メーカー系ではない保守・メンテナンス業務を主とする企業の参入により、競争原理が働くようになりました。

メーカー系は、誰でも知っている有名企業であるのに比べて、独立系は中小企業であり、その信頼度は自己責任で
判断しなければなりません。

また、独立系には、メーカーの最新機種に対応する情報や部品が完全に公開されているとはいえないという特殊事情
もあります。これについて公正取引委員会は

主要メーカー系保守業者が、独立系保守業者にたいして、専用部品の供給を制限するような行為については
独占禁止法上「不当な取引拒絶」「不当な差別対価」「不当な取引妨害」等の問題となる場合がある

という見解を出したそうで、少なくはなったようですが、やはりまだ耳にします。

■ フルメンテナンスとPOG契約
フルメンテナンス(FM)契約
部品交換も含まれた契約で、経年劣化した電気・機械部品の取替えや修理費を契約内に含み、常にエレベーターを
専門業者が最良の状態維持していくことを約束する、といった内容の契約。当然に費用がかさみます。

POG(Parts・Oil・Grease)契約
電球やリレー接点など小額の消耗品の交換と、潤滑材の補給およびエレベータを定期的に点検・清掃・給油・
調整程度のみを行なう契約で、部品交換などの費用がその都度必要となります。
POG契約には、ヒューズ・オイル類・ベアリングなど定期的に交換しなければならない部品交換は含まれますが、
高額部品の修理や取替え、内装材等の取替えは含まれません。

※電球交換は、専門技術者でなければできません。

何かことが起こったときには人命に係わるという側面からすれば、FM契約を選択しておけば安心感が得られます。
しかし料金面を見れば、当然高くなってしまいます。

エレベータ自体が新しいうちは故障が少ないので、POG契約で安く済ませる事もできますが、年を経るごとに
故障箇所が増えたりなどしてきた時には、逆に、費用負担が重くのしかかって来ます。

当初POG契約にしておき、毎回の修理費をよく観察しておいて、費用負担が大きくなってきた時点で
FM契約に切り替えるということも可能です。
ただし築年数が15年程度以上経過した建物では、この契約は結べないことがあります。

それぞれの契約の料金の相場
◆ FM契約:月額5~6万円台
◆ POG契約:月額4~5万円台が主流。3万円以下というトコロもある。

■ 法定点検と定期点検
法定点検・定期報告は年1回で、この報告済証が、かご内部にある
「定期検査報告済証」です。(左図)

多くの分譲マンションで採用されている毎月1回の点検は、
「法律には定められてないが、これくらいやっておいたほうがいいんじゃないの?」と、いわば管理会社やエレベータ会社が勝手に考えた
頻度です。(「指針」には「使用頻度等に応じて専門技術者に、
おおむね1月以内ごとに、点検その他必要な整備または補修を行わせる」とあり、使用頻度に応じた判断で、としています。)

この『点検』というのは、「現場に係員が実際に出向いて行なう点検」のことであり、
現実には多くのエレベータは、電話回線を通じた遠隔操作により、こまめに点検されています(遠隔監視)。
夜中の2時3時、誰も乗らないような時間に、エレベータを遠隔的に動かして、正常に作動しているかどうか確認して
いるのです。
ですから遠隔監視が適切に行なわれておれば、半年に1回の点検でも問題はないのかもしれません。

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“2.エレベータのメンテナンス” への4件のコメント

  1. 林 稔 夫 より:

    エレベーターの会計上の減価償却年数でなく、他に使用期間を規制している法令はありますか?(例:建築基準法・同施行令)メーカーによっては、20年~30年を一つの更新期間としてるところもありますが、25年としているメーカーもあります。更新の基準となる年数は何年でしょうか?法令で使用期間を制定している場合、その年数を超えて使用している場合、罰則はありますか?

  2. 林 稔 夫 より:

    管理者の承認待ちということは、どういうことですか?

  3. formD より:

    >林 稔 夫 さま

    コメント有難うございます。
    最近、勧誘等のコメント等が多く、頂いたコメントは全てフォルム・ディで確認し、承認できるもののみ、ページ上に表示するようにしておりました。
    ご迷惑をお掛けいたしました。

    先のコメントに関しましては、早期にご回答申し上げます。

  4. formD より:

    林 稔 夫 さま
    エレベーターの使用期間については、法令上の規制はありません。
    法定点検と適切なメンテナンスを行なっておれば、何年でも使用できるということです。

    実際、京都の東華菜館というレストランのエレベーターは、1924年のアメリカOTIS社製だそうです。
    http://www.tohkasaikan.com/cgi-bin/tohkasaikan/siteup.cgi?category=4&page=3

    現実論としては、交換用部品のストックが、事実上の使用期間を決めています。
    それで、メーカーそれぞれに更新期間が謳われています。

    既存不適格、罰則等は下記を参考にしてください。
    http://www.beec.or.jp/07/07_1_3.html

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