4.電気設備のメンテナンス

マンションに、電気設備に関する法定点検を要する可能性があるとすれば、「自家用電気工作物」だけと考えてよいでしょう。
この「自家用電気工作物」というのは、電力を高圧で引きこみ、変電設備で低圧に変電してから各住戸に配電する
設備のことです。
一般家庭の配電設備は「一般用電気工作物」で、マンションの各住戸もこれに該当します。

『一般用電気工作物』は電力会社が保安業務を担いますが、『自家用電気工作物』は自主保安が原則で、
電気事業法(39条・42条・43条)で、下記項目が義務付けられています。

・ 技術基準維持義務
・ 保安規程の作成・遵守義務
・ 主任技術者の選任義務

それで、管理組合は、電気主任技術者を選任し、電気設備保全のため点検計画などを定めた保安規程を作成し、
経済産業省に提出しなければなりません。
さらに毎年1回設備を停電して精密検査・測定、また毎月1回外観点検などを実施し、報告することになります。

※点検周期は、設備の内容によって相違します。

実際には、電気主任技術者が居るマンションは殆ど無く、保安管理業務を外部委託することになり、
近畿では、多くの場合『((財))関西電気保安協会』に保守を依頼しています。
これ以外に、安く請け負う業者もあるようです。

一般的には、マンション内に「電気室(※)」を設けて変圧器を設置しますが、店舗があったり
機械駐車装置がある場合にはキュービクル(機器一式を金属製の外箱に収めたもの)を設置します。
電気室には、管理員や管理会社でも出入できません。

※ 電気室は、近畿では「関電借室(かんでんしゃくしつ)」と呼ばれています。

以前は、住戸数50戸程度以上であれば借室を用意するかキュービクルを設置しなければなりませんでしたが、
近年は70~80戸程度まででしたらパットマウントという変圧器を設置することで、借室が不要になっています。
借室は、将来のことを考えて余裕のあるスペースを確保していますので、概ね1LDK程度のスペースが充てられて
います。
「借室」といえども、電力会社が賃料を支払ってくれるわけではありません。

電気室は電力会社の管理下にありますから、点検は電力会社が行ないます。
また、キュービクルタイプの電気室は、管理組合に点検義務があるため、有資格者に点検を依頼します。

多くのマンションは、高圧で受電し、各住戸は低圧に変電された電力を受電しています。
そして電力会社との契約は『低圧契約』になっています。これを、専門事業者の変電設備を導入して、
契約方式を『個別低圧契約』から『一括高圧契約』に変更して電気代を安くする試みがあります。

低圧契約は、戸建住宅など電気の使用量が
比較的少ない小口需要家向けの契約で、
高圧契約はテナントビルや工場などある程度
まとまった量の電気を使う大口需要家向けの
契約です。

高圧契約は低圧契約よりも料金単価が低いので、同じ量を使用した場合、高圧契約の方が電気料金が安くなります。
マンションなども、一棟で契約することによって大口需要家となり、この高圧契約を利用することが出来ます。

しかしまだ一般的といえるほどに成熟したシステムではなく、どこでも経費削減できるというわけでもないので、
第3者的立場の専門家を交えた慎重な検討が必要です。
また契約方式の変更は、総会決議を要する事項です。

非常用発電機の概要
一定規模の建築物には、スプリンクラーや屋内消火栓、排煙機などが設置されます。
これらの設備は「火災で停電になったので使えません」という訳にはいかないので、防災設備専用の非常電源設備が
必要になります。
建築物の電気設備として使用する非常用発電機は大きく分けて、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンの
二種類があります。

非常用電源の点検・報告
非常用電源の点検は、
建築基準法による外観点検 :建築設備の定期検査・定期報告(1回/年)
消防法による点検 :消防設備の定期検査(機器点検:1回/6ヶ月)(総合点検:1回/年)(報告:1回/3年)
電気事業法による点検 :電気設備の定期点検(外観点検:1回/月)(精密点検:1回/年)

の3種あります。

いずれにしろ、停電点検を年1回行なわなければなりません。
エンジンオイル・フィルター・冷却水不凍液などは2~3年、
Vベルト・ゴムホース等のゴム製部品・始動用蓄電池などは5~8年が、適正交換時期と言われています。

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