5.給排水設備のメンテナンス

この項では、飲料水の供給が受水槽を経由している場合について述べています。
受水槽の無い、「加圧給水方式」や「直結増圧ポンプ方式」の場合は、ポンプの点検以外、特段の検査等は不要です。

■ 簡易専用水道

.有効10㎥(10ton)を超える容量の受水槽は、簡易専用水道に該当します。
100㎥(100ton)を超えると「専用水道」となりますが、殆どのマンションは、これだけの貯水量が必要な場合でも、
水槽を複数に分割していますので、簡易専用水道となっています。

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水道法第34条の2
簡易専用水道の設置者は、厚生労働省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない。
2 簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、厚生労働省令の定めるところにより、定期に、
地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。

水道法第34条の3:検査の義務
前条第2項の登録を受けた者は、簡易専用水道の管理の検査を行うことを求められたときは、正当な理由が
ある場合を除き、遅滞なく、簡易専用水道の管理の検査を行わなければならない。

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水道によって供給される水の水質管理については水道法により水道事業者に対し、
常に水質基準に適合した水を供給することを義務づけています。

ただし、水道法では水道事業者の責任範囲を給水管(引込管)並びにこれと直結している給水器具(これを一括して
給水装置と呼びます)によって供給される水までとされています。

従って、受水槽を設けて給水している場合、受水槽以降の給水施設並びにこれらの施設によって供給される水の水質は、施設の設置者が、自らの責任において管理しなければなりません。

■ 水槽の清掃

容量10ton以上の簡易専用水道では、受水槽、高置水槽等の水槽の、年1回の清掃が義務付けられていますが、10ton以下の
水槽でも、これを目安に行なうことをお勧めします。
水槽の清掃は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に基づき、知事に登録している建築物飲料水貯水槽清掃業者
などに依頼して実施するようにして下さい。

水槽の清掃は、通常は水槽を空にしないと出来ません。
槽がひとつの場合、各住戸で断水する可能性がありますので、
事前に周知徹底しなければなりません。

■ 水質検査

給水栓水(蛇口から出る水)の色、濁り、臭い、味等に異常を認めたときは、必要な項目に関する水質検査を行ないます。
この場合の「給水栓水」は、貯水槽から給水されている範囲の、最も離れた位置を選定します。
管理事務室や集会室の給水は、受水槽を経由していない場合もありますので、竣工図面などで確認して下さい。

大阪府では、簡易専用水道に義務付けられた水質検査は、

・ 『色・濁り・味・におい』について異状を認めたときに、必要な項目の検査を行なうこと
・ 年1回の定期点検の際の、水質検査  

です。

水槽の清掃は、年1回行なうことが義務付けられていますので、その際に、清掃業者に依頼して
水質検査を行なうことが一般的です。

飲料水には、0.1ppm以上の残留塩素を維持することが必要で、これを下回ると雑菌が繁殖してしまいます。
この残留塩素が「カルキ臭」となって現れます。
残留塩素の測定に必要な機器や薬剤を管理室に常備し、週1回程度測定し記録しておくことが望まれます。

■ 施設の点検等

水槽その他の施設の状況を点検し、有害物や汚水等による水の
汚染防止を講じます。

水槽の亀裂やマンホールの蓋の破損、
その他の施設の不備により、
有害物や汚水等が混入し、
供給水が汚染されることのないよう、
施設の定期点検を励行し、
不備な点を発見した場合は、
速やかに補修改善しなければなりません。

地震、凍結、大雨等供給水の水質に影響を及ぼすおそれのあるような事態が生じた場合には、特に注意が必要です。

■ 給水停止及び関係者の周知

供給水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちに給水を停止するとともに、
その水の使用が危険である旨を関係者に周知しなければなりません。
関係者とは、供給水を利用している者、所管保健所及び市町村水道局等をいいます。

簡易専用水道検査機関一覧は、厚生労働省のウェブページをご覧ください。
厚生省のウェブページはこちら

近年、水道本管の整備が進み、管径が太く或いは給水圧が高くなった地域が増えています。
同時に、受水槽を経由した飲料水に違和感を覚える人も多くなり、受水槽のスペースが無駄だと言うことと相俟って、
水槽を撤去して本管との直結に切り替えるマンションが多く見られます。
各自治体の給水状況によりますので、まずは水道局に問い合わせましょう。

高架水槽方式 ⇒ 直結増圧ポンプ方式

受水槽の水は、ポンプで高置水槽まで揚げ、そこから自然落下で各住戸に給水しています。
その結果、各住戸の給水圧は、上階が低く下階が高いという状況になっています。
これを直結増圧ポンプ方式に変更すると、上階の給水圧は以前より高くなり、下階のそれは以前より低くなります。

特に上階について、既存の配管や器具との接続が、その圧力に耐えられるかどうかの調査を行なわなければなりません。
もし老朽化などで給水圧に耐えられない場合には、配管替えや器具の取替えを検討しなければならない可能性も否定
できません。

★増圧ポンプは、年1回の断水点検が必要です。

加圧給水方式 ⇒ 直結増圧ポンプ方式

受水槽の水を、加圧ポンプで直接各住戸に給水しているので、高置水槽はありません。
この場合、直結増圧ポンプ方式に変更しても、各住戸への供給状態に変化はありませんので、高架水槽方式からの
変更と比較して、問題が少ないと言えます。



排水設備のメンテナンスは、雑排水管の清掃を指します。(法定の作業ではありません)
年1回洗浄することが望ましく、住戸内で対象となるのは、キッチン・浴室・洗面台・洗濯機パンなどで、トイレは
含まれません。

※ もともとトイレの汚水排水管は詰まることを予想しておらず、もし詰まるとすれば、
汚物以外の例えばオムツなどを流した場合に限られます。

雑排水管内にこびりついているのは
主に毛髪と油脂で、高圧洗浄するのが一般的な方法です。
10年以上洗浄していなかった建物にいきなり高圧洗浄をかけると、
圧力で管が破損し、漏水事故を起こす可能性もあります。

また、古い建物で排水管が鉄製の場合には、高圧洗浄で、
管の穴を塞いでいた錆を除去してしまい、漏水した例もあるそうです。

不在者の多いワンルームマンションなどでは、
実際に清掃が実行できた住戸数に応じた「出来高制」で費用算定してくれる業者もあるそうです。
この場合、次の年には必ず在宅してもらい、洗浄を徹底できるようにしましょう。

いずれにしろ、排水管洗浄には熟練した技術力を要しますので、業者選定は慎重に行ってください。
また「1年間の詰まり保証」があれば安心です。

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